「軸」がキャリアの
選択基準になる

1. 「価値観 = 人生の選択基準」になる

さきほどのページ では


「自分が大切にしている価値観」 がなぜ

「人生100年時代のキャリアの軸」 になるのか

というテーマについて3つの視点からお話させていただきました。


そして今回は

「自分が大切にしている価値観」

という軸を持つことで、

「さらにどんな効果をもたらすのか」

というテーマでお話したいと思います。

早速話に入りますと、その効果についてはいくつかあるのですが、まず大きな視点としては

「人生の選択基準が得られる」

ということです。


今日ではネットやSNSの発達により、情報が爆発的に増えたのは周知のとおりです。

そして当然ながらこれからの人生100年時代に向けた準備についても、

「あれをやったほうがいい」

「これをやったほうがいい」

「これはやるべきではない」

といった情報が溢れかえっています。


そんな 
「周囲の声」 にいちいち反応してしまうと、書籍「LIFE SHIFT」の言葉を借りると、 「過度に落ち着きのない人生」 を歩んでしまうことになります。


逆に 
「自分が大切にしている価値観」 という 「自分の内側から湧き出る確固たる判断軸」 を持っていると、その価値観に関係のあることだけに反応していけば良いので、結果として

「人生に意味と一貫性を持たせることができる」

と 書籍「LIFE SHIFT」 では提唱されています。

※なお、「LIFE SHIFT」では、この判断軸となる価値観を「深い自己認識」という表現で紹介されています。

そしてこの「人生の選択基準」は当然ながら、


「仕事の選択基準」


にも適用することができます。

  • 「自分が大切にする価値観」の先には、どんな仕事がありそうか?

  • 果たしてこの仕事は、「自分が大切にする価値観」と合致しているのか?


そんな問いを自分に投げかけながら、 

「これからどんな仕事をしていくか」

を考えていくということですね。


この 「仕事の選択基準になる」 という点は、

これからのライフシフトを進めていくにあたって

とても重要なポイントになってきます。



なぜなら私を含め多くの人が、


これまで
「他人の声」 「世間の声」 といった 

「価値観とは真逆の選択基準」 

で仕事を選んできているからですね。


よってこれからライフシフトを目指すにあたっては、

その「仕事の選択基準」の意識を

大きく転換する必要が出てきます。


そこで次回は、その

「仕事の選択基準の意識を変える」

というテーマについて、

「Should」 「Can」 「Want」

という視点を用いて、もう少し詳しく説明したいと思います。

2. 【仕事の選択基準①】「Should」ではなく「Want」を軸に考える

まず上図の3つのサークルの説明ですが、それぞれ


「Should (すべきこと)」

「Can (できること)」

「Want (やりたいこと)」

を表していまして、

「それらの3つの円が重なる部分の仕事をみつけたいですね」

といった文脈でよく使われるフレームです。

ただ、「そんな仕事を見つけたいですね」というメッセージの裏側は、そうじゃない人、つまりは

「3つの円が重ならない部分の仕事をしている人がほとんどですよね」

という現実を表しているともいえます。

具体的にはどんな状況かというと、ほとんどのサラリーマンの方々はこれまでの人生を、図の左側、

まず「Should(すべきこと)」が会社から与えられて

それに応えられるように


「Can(できること)」を一生懸命磨いていく

そんな仕事人生をひたすら突き進んでこられたのではないかと思います。

そしてそこに 「Want(やりたいこと)」 を持ち込もうとすると、

「何を甘いことを言ってるんだ」

「仕事にやりたいことなんて持ち込むな」

「公私は分けろ」

などと上司から叱責を受けてきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

つまり、これまでは仕事を選択する際、

「Should」と「Can」だけを考えて選択し

「Want」は置き去りにされてきた

という側面が強いのではないかと思います。

私自身も長い間、まさにそのような考え方で生きてきました。

しかしながら人生100年時代の仕事の選択基準は、これまでお話したとおり、

「Should」 よりも 「Want」

になります。

もう少し丁寧にいうと、

「Want」 の円を何よりも先に考えて

そのうえで 「Should」 と 「Can」 の円が

交わる部分を探しに行く

という順序へと、仕事の選び方を変えていくということです。

それは

まずは、これまで置き去りにされてきた

「Want」をテーブルの上に乗せ


そのうえで、それを最優先事項に昇格させる

という、


2段階のマインドシフトを一気に行うこと


とも言えるのではないかと思います。

このような意識の大転換、

これまでに染みついた

「Shouldファースト」から

「Wantファースト」へと

選択基準を大転換させる

ということが、これからの

「人生100年時代における仕事の選択」

において非常に大事になってきます。

3. 【仕事の選択基準②】「Can」でもなく「Want」を軸に考える

続けてもう1点、


「Should」「Want」「Can」の視点における仕事の選択基準で


注意すべきポイントを補足しますと、

「今の自分にできること(Can)」 を

軸にして考えない

という視点があります。

これもかなり注意しないといけないのですが、

まずはこれまでに培った

「できること(Can)」を棚卸して

その「できること(Can)」を軸に

これからの仕事を考えましょう

という

「Can」 を仕事の選択基準とするアプローチ

が提唱されることもよくあります。

これは企業が行う「シニア社員向け定年前研修」などでよく聞く話でもありますので、特に違和感がない方も多いのではないでしょうか。


ただ、このアプローチは 「短期的に食べていくための現実的なプラン」 としては適切だと思いますが、

「できること(Can)」というのは、

必ずしも「価値観と合うもの」 とは限らないため、

長期的な視点でのライフシフト的キャリア観としては

必ずしも適切とは言えません。

たとえば

自分の価値観に合わなくて本当はやりたくなかったけど

会社からの指示には従わざるを得ず

職務としてやり続けているうちに結果的に得意になった

という、そんな「できること(Can)」がある人も多いのではないでしょうか。

そんな

「本当はやりたくないけど、できること」

を軸に「これからの仕事」を決めてしまうと、

結果として「しんどい仕事」をやり続ける

という結果を生みますので、途中で挫折する可能性も高まります。

この点について、1人キャンプYouTuberとして

ライフシフトの「王道」を突き進まれているお芸人のヒロシさんも、

著書 「働き方1.9」 の中でこのような述べられています。

好きなことをして生きていくという話をすると、

「私はこれが特技だから、この達人だから、これを仕事にしてみたい」

という人がいる。

しかし、得意なものと好きなものとが一致しないことも多い。

本当は好きでもないのに、

周囲からそれが得意だと評価された仕事を続けることはキツイものだ。

いくら得意だと思うことでも、好きでなければ、

挫折や伸び悩みで脱落してしまう。

得意であることだけがモチベーションなのだとすれば、

得意でなくなれば、容易に挫けてしまうのだ。

また、誤解していただきたくないのは、

「得意なこと」 「できること」 を捨てましょう、

ということではありません。

それはそれで、強力な「リソース」になります。

「Want軸」 から何か好きなこと、やりたいことが見えてきたときに、

そのリソースを活かすことができれば、

実現のスピードがあがったり、質が高まったりします。

例えばスターバックスのハワード・シュルツさんは、

「人を大切にする場を作りたい」


という「やりたいこと」

「カフェ経営」
「ゼロックス社などで培ったビジネススキル」


という「得意なこと」

を掛け合わせることで

「サードプレイス」 や 「従業員を大切にする会社」 


としてスターバックスを発展させました。

このような感じで、

得意なこと(リソース)はそれはそれで大切にしつつ

「どうすれば”やりたいこと”とうまく組み合わせることができるか?」

ということを考え続ける

そういう姿勢が大切になってくるのではないかと思っています。

以上、 

「Should」  「Can」  「Want」


についていろいろとお話してきましたが、

「人生100年時代の仕事の選択基準」


について改めて申し上げますと、

主たる選択基準にすべきはあくまで

「(自分の価値観に基づく) Want」 であり、 

「Should」 や 「Can」 は

その次に考える従属要素である

ということを心に留めておいていただければと思います。

4. 【学びの選択基準】「とりあえず〇〇」からの脱却

ここまでは


「自分が大切にしている価値観」


「人生の選択基準」となり、そして


「仕事の選択基準」 にも適用できる


というお話をしてきましたが


そこからさらに


「学びの選択基準」 にも適用できる


ということについてもお話したいと思います。



人生100年時代という言葉が提唱されて以降、

「大人の学び直し(リカレント教育)」 

の必要性がうたわれるようになりましたが、

ここでも大事になってくることは、

「では自分は何を学べばいいのか」

という判断基準を持つことです。


基本は限られた「業務外」の時間で学んでいくわけですから、できるだけ効果的、効率的に学んでいきたいものです。


ですが、世の中には

「これを学ぶべき」 「あれを学ぶべき」

という情報が氾濫していますので、

自分なりの判断基準を持っていなければ、

そのような情報に振り回されてしまいます。


そしてその選択基準となるものが

「自分が大切にしている価値観」 です。

「これは ”自分の価値観” につながる学びなのか?」

「これは ”(価値観に合った)目指す姿” につながる学びなのか?」

このような問いを立て、学ぶ対象を取捨選択することで、

世間の「空気」に惑わされることなく、

自分にとって必要な学びを

効率的に積み重ねていくことができます。

これからの時代、「大人の学び直し」は必須事項ですが、

「とりあえず英語」

「とりあえずプログラミング」

など、なんとなくの思いつきだけで学ぶものを選んでしまうと、

「実は必要ないものに時間とお金を投入してしまった・・・」

という結果になりかねません。

そんな学びも若いうちなら経験の1つとして許容できますが、

40代以降の時間が限られた中では

「そこそこ手痛い時間のロス」

になってしまいます。


ということで、ライフシフトを目指すにあたって

「何を学ぶか」を考えるにあたっては

何を学ぶかを考える前に、

”何を学ぶかの選択基準”となる

自分の価値観を明確にする

という、この取り組みの順番を

ぜひ心がけていただければと思います。

5. 【まとめ】「価値観のあぶり出し」が一丁目一番地

以上、ここまで

自分が大切にしている価値観の重要性

について説明してきましたが、改めて

人生100年時代における

キャリア戦略の押さえるべきポイント

を整理すると、以下の2点になります。

<1点目>

まずはモチベーションの源泉となる

「自分が大切にしている価値観」を

しっかりと自覚すること

<2点目>

そしてその「自分が大切にしている価値観」を

選択基準として、

これからの仕事を選び、学びを継続していくこと


ということでまずは

「自分が大切にしている価値観」 を

あぶり出し、自覚することが

ライフシフトの一丁目一番地になります。


そして以前のパートでもお伝えしましたとおり、

ライフシフトに向けた準備は

早く始めるに越したことはありません。

「自分の価値観は何だろう?」と

1人で悶々と悩んでいる時間は、

「限られた貴重な時間を使う」という視点では

非常にもったいないものです。

また、最近は価値観を探るワークショップなどもよく見かけますが、私の経験上、数時間のワークというのはあくまで 「価値観を探るきっかけ作り」 です。

やはり、自分の中で「これが自分のぶれない価値観だ!」と自覚する領域に到達するためには、

一定の 「余白の時間」 を確保して

一定の 「深さ」 を伴って

自分自身を 「がっつりと」 振り返る

という取り組みが必要になります。

そのようなことを踏まえたうえで、

ライフシフトの 「軸」 となる 

「自分が大切にしている価値観」 のあぶり出しを、

がっつりと 「1on1」 で、

専門家の力を借りてグーーーーっとショートカットしませんか?

という取り組みが、

この ライフシフト塾 でございます

ということで次のパートでは 「ライフシフト塾とは」 というテーマで、

「ライフシフト塾が目指していること」

「提供している講座の中身」

などについて詳しくご紹介していきたいと思います。